2017年4月に新卒で某キッチンメーカーに入社しました。
僕が赴任した営業所にはヒーローがいました。そんな話です。
よろしくお願いします。
名前を真中(仮名)といいます。
年齢は40歳。男性。既婚。
設計図を作成する仕事をしていました(CADというやつ?)。
真中さんはとにかく怒られていました。
営業所長やお局様(おそらく50歳くらい)にとにかく怒られていました。
毎日のように怒られていました。
一度お局様に「あんた何年この仕事してんの!?」と尋常じゃないくらい怒鳴られていたこともありました。
しかし真中さんは怒られることを意に介さず、怒られた数秒後にはにやにやとできるとてもとても強い大人でした。
僕と真中さんはよく昼休みに全員分の昼食を買いに営業所近くのスーパーまで買い物に行っていたのですが、ある日昼休み直前に所長にしこたま怒られていた日がありました。
怒られた直後に真中さんと僕は昼食の買い出しに行くため営業所を出ました。
営業所を出て二人きりになった瞬間「いや、俺もう帰りてぇわ!!」と叫んでいました。
僕はそんな真中さんの姿を見て死ぬほど笑いました。
40歳のいい大人が目上の人に怒られて「帰りてぇ!!」と大声で叫んでいる姿が新鮮でとにかく笑ったことを鮮明に覚えています。
怒られてもへこむことなくすぐにふざけることのできる大人はまじでかっこいい。
真中さんはとにかく優しい。
社会人になって間もない不安だらけの僕にすごく優しくしてくれた。
僕は麻雀が好きなんですけど真中さんは麻雀の話をよく僕に振ってくれた。
そして僕の言うことですごく笑ってくれた。
くそかっこいい。
真中さんのことを一番好きになった出来事。
仕事中は基本的にはいつでもタバコを吸ってもいいルールなのだが、僕は新入社員ということで所長から「しばらくの間、タバコは昼休みだけにしておけ」と言われていた。(新入社員とタバコ関係ねぇだろ、吸わせろや)と思ったがそんなことを口に出せるはずもなく「わかりました」と言ってしまい、僕は昼休みしかタバコを吸えないことになってしまった。
そのことを真中さんも知っていたようでした。
ある日、おそらく16時ころだったと思います。
僕が(タバコ吸いてぇ)と思いながらいつものように自分のデスクで商品の勉強をしていたところ、真中さんが「わり、みるめくん!火貸してくれや!」とだけ言い喫煙所に姿を消して行った。
(まさか......!?)と思いながらライターを喫煙所に持っていくと真中さんはにっこりして「タバコ吸いたかったでしょ?」と言うのだ。
いや、かっこよすぎるだろ。あほだろ。ありえんだろ。やり方がおしゃれすぎるだろ。あなたは現代のシェイクスピアですか?超かっこいい。
「ありがとうございます!!」と言い二人でくだらないことを話しながらタバコを吸った記憶があります。
よく怒られていた真中さん。
上司、先輩からは無能な社員と思われていたかもしれないあなたですが、僕にとっては唯一無二のヒーローでした。
本当にかっこいいです。
僕はもう一生あなたに会えないかもしれません。
真中さんにすごくよくしてもらって優しくしてもらったにも関わらず、地元に戻りたいからという理由だけですぐに退社してしまい本当に申し訳ありませんでした。
新卒で入社した会社を2ケ月で辞め履歴書に傷をつけるというもったいない行為をしてしまいましたが、真中さんに出会うことができて本当に良かったです。
僕も真中さんのように怒られても動じない強い大人になります。
たとえ、上司や先輩に怒られ嫌われるようになってしまったとしても部下や後輩には必ず優しく、ふざけて、ヘラヘラしながら接します。
大事なことを教えて頂きありがとうございます。
PS.
真中さんの年齢を知ったときの会話
み「真中さんておいくつなんですか?」
真「40だよ。こんなに怒られてる40歳他におらんやろwww」
と明るくヘラヘラ話していた。いや、メンタルつよっ!かっこいいーーーーーー!!
おしまい