2017年2月14日火曜日。
死んでいた。
死んだように生きていた。
大学4年生。
大学はもう春休みに入っており人生で最後の超長期公休期間。
昼前に起床した瞬間からお腹がめちゃくちゃ痛い。
元々お腹は弱いほうだがそれにしても痛い。
今日はお付き合いして1ヶ月の彼女と晩ご飯を食べに行く約束をしている。
とてもじゃないが行けない。
LINEでお腹が痛くて行けない旨を伝えるが怒っている。
そうこの日は2月14日。バレンタインデーだ。
僕のためにチョコを用意してくれていたであろう。
後から聞いて知ったのだが、彼女に嘘をついて他の女の子と会うのではないかと不安になっていたらしい。
たしかに会えない理由が「腹痛」だとまあ怪しい。
しかし本当にめちゃくちゃお腹が痛い。
その日は近所の内科に行き薬を出してもらい、果物やゼリーを食べて薬を飲み早めに就寝した。
翌日。腹痛、全然治ってねえ。むしろ痛さが増している。
よくお腹が痛くなることはあるのですが、夜しっかり寝ればだいたい治っていた。
その日の夜、痛さがピークに達していた。
痛すぎて奇声をあげながらベッドで横になりながら壁を殴っていた。
痛さのあまりおそらく気を失う寸前だったと思う。
痛みがあまりに長きに渡り続くので大きめの病院に連れていってもらった。
自力で歩くこともままならなかった。
虫垂炎(盲腸)だった。
このとき、盲腸というのは病名ではなく腸の名称であることを初めて知った。
盲腸が炎症を起こすことを虫垂炎というらしい。
虫垂炎の原因はストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れであることが多い。
僕の場合は、大学生活最後の休みということで昼夜逆転の生活を送っていてその生活の乱れが原因だった。
即手術、即入院。
急に1週間の入院生活。
同時に1週間の禁欲生活。
最初の3.4日は高熱が出てたので食欲も性欲もないのですが、平熱に戻って元気になってきた後半戦は地獄。
ご飯も食べられない。オナニーもできない。風呂も入れない。タバコも吸えない。
ここは現代の地獄ですか?
仏陀か?
悟り開いたろかボケ。
ちなみに盲腸の手術の際、下の毛を剃られるっていう話、聞いたことあると思うんですが、本当に剃られました。
上のあたりを少しだけですけど剃られました。
若い女性看護師に剃られました。
若い看護師にチン毛を剃ってもらうって体が正常な状態だったら勃起案件ですけど、痛さのあまり(早く、、早く剃ってくれ、、、早く剃って1秒でも早く手術を受けさせてくれ)と興奮の「こ」の字もなかったです。もったいない。
人間、いつだってオナニーできたりタバコが吸えたりできるわけじゃないんだ。
今、お前が飯食えたりオナニーできるのは健康な体があるからなんだ。
今の当たり前が急に当たり前じゃなくなることがあるんだ。
そのことを常に頭に入れてこれからの人生を歩んでほしい。
1週間の入院生活を終え、退院後即食べたてりやきバーガーのセットは今まで食べたどんな料理よりもおいしかった。
その後のタバコは大学3年生のときに2ヶ月だけ付き合っていためちゃくちゃ美女な彼女とのセックス終わりのタバコよりもおいしかった。
そしてその後のオナニーは大学1年生のときに初めて使ったTENGAよりも気持ちよかった。
ハンバーガー・タバコ・オナニー、これが本当の3種の神器らしいです。
学校の社会の授業で習った3種の神器、テレビ・洗濯機・冷蔵庫、あれ嘘らしいです。
ハンバーガー・タバコ・オナニー、これです。
明日、急に好きなものが食べられなくなるかもしれない。
明日、急にオナニーができなくなるかもしれない。
明日、急にタバコが吸えなくなるかもしれない。
今、食べろ。今、シコれ。今、吸え。
おしまい