来世は女子高生のスカートになりたい

来世こそは女子高生のスカートになりたい成人男性が書いています

2020年読んだ本

 

afterlifeskirt.hateblo.jp

 

コンビニ人間/村田沙耶香

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コンビニエンスストアは、音で満ちている。』という一文から物語は始まる。

普通の家庭で普通に育てられた、幼少期から少し変わっていた18年間同じコンビニでアルバイトしている女性が主人公。

コンビニでバイトすることでしか自身のアイデンティティを保てない主人公だが、婚活目的でコンビニのバイトを始めることになった白羽との出会いにより話は思わぬ方向に。

どのようなジャンルに分類される小説なのかはわからないが僕はけっこうホラーに感じた。

 

セックス・ドリンク・ロックンロール!/みうらじゅん

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京都から上京し美大イラストレーターを目指す乾 純であったが、入学式当日に寝坊し学校生活にもうまく馴染めない。

そんなとき、一人の風変わりな同級生との出会いからロックな大学生活が始まる。

セックスと青春とロックをミキサーでぐちゃぐちゃに混ぜたような物語。

 

続・ヒーローズ㈱!!!/北川恵海

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昨年読んだヒーローズ㈱!!!の続編。

相変わらずコンビニのバイトで知り合った拓から紹介されたヒーローを作る仕事をしているヒーローズ株式会社で働いている修司。

今作のテーマは「夢」。

今回もいろんな人の夢を叶えヒーローを作っていく。

北川さんの物語はいつも後半に伏線が綺麗に回収されて気持ちがいい。

 

続々・ヒーローズ㈱!!!/北川恵海 

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今回、修司が任されたのは新入社員候補二人の教育兼面接官。慣れない教育係に四苦八苦する修司の元に孫のために戦隊ヒーローになりたいというおじいさんからの依頼が来て────

どうやら「完・ヒーローズ㈱!!!」もあるようだ、来年読もう。

 

ちょっと今から人生かえてくる/北川恵海

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同著者の「ちょっと今から仕事やめてくる」の続編。

続編というよりもアナザーストーリーのような話。

ちょっと今から仕事やめてくるで登場した青山の先輩である五十嵐やその五十嵐の友人にスポットライトを当てています。

そしてヤマモトもたくさん登場してきます。

前作を読んだ方は是非とも!

 

まずいスープ/戌井昭人

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料理上手な父親がある日「サウナに行ってくる」と言い残し忽然と姿を消してしまう。

 

キッチン/吉本ばなな

吉本ばななさんの言わずと知れた代表作「キッチン」。

キッチンという場所が大好きな主人公、桜井みかげの家族が亡くなり、同級生である田辺雄一と彼の母との3人暮らしをすることになる。

しかしその後雄一の母も亡くなってしまいみかげと雄一は2人、取り残され孤独を感じるようになってしまう。

おいしいものを食べて元気になっていく登場人物たちが少し羨ましく見えたりします。

 

スープカレー/高橋美夕紀

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2012年に北海道放送で放送されたドラマの小説版。

学習塾講師、三浦雄二

百貨店の販売員、和田慎吾

俳優兼主夫、浦田博史

冠婚葬祭プランナー、平目清

料理研究家、五十嵐精二

の5人が主人公。

5人は同じ大学の同級生で同じ演劇サークルに入っていた。

話の始まりは大学の卒業公演の直前の舞台裏の回想シーンから。

それから20年程経ち各々の生活で悩み、苦しみながらも真剣に生きている5人。

話の最後では5人が再度集まり、もう一度舞台に立つ。

おもしろかったです。

 

うさぎパン/瀧羽麻子

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お嬢様学校育ちの主人公優子が高校生になり、クラスメイトの富田君と一緒にパン屋巡りをし、恋する話。

優子の家庭教師である美和ちゃんとは、恋の話もできる良好な関係。

しかし、美和ちゃんをきっかけに優子はとある大人に出会ってしまう。

この大人との「再会」が物語の鍵となる。

少しファンタジー要素もある青春恋愛物語、おもしろかったです。

 

グミ・チョコレート・パイン パイン編/大槻ケンヂ 

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昨年読んだ同作のグミ編、チョコレート編の続編であり最終章。

主人公、賢三の好きな山口美甘子は映画監督の大林森にスカウトされ学校をやめていた。

デビュー作の映画で共演したアイドル、羽村に惹かれていく山口。

賢三の想いも知らずに羽村との距離を縮めていく山口。

(頼む、頼むから一線は超えないでくれ..賢三をこれ以上底なし沼に落とさないでくれ)と思いながら読んでいましたが、物語は残酷です。

大槻先生、それは残酷じゃないですか....

しかし、山口とのセックスの現場を週刊誌に撮られたことをきっかけに羽村はトップアイドルから堕落の道を歩むことになり、賢三と出会うことになる。

山口と羽村の関係を知った賢三は生きる気力を失い、山口に追いつくために友人らと始めたバンドも抜けてしまうのだが、羽村と出会ったことにより徐々に生きる意味を自分なりに見つけていく。

賢三は再びバンドに復帰することができるのか、羽村と山口の関係はどうなるのか、賢三は山口に近づくことができるのか。

イカ臭く淡い最低で最高の青春パンク小説です。

 

いつかパラソルの下で/森絵都 

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 柏原家の長女・野々は今でこそ自堕落な生活を送っているが亡き父に異常なまでに厳しく躾けられ育てられた過去を持つ。

そんな厳格な父親が生前浮気をしていたという事実が発覚する。

超が付くほど厳格で生真面目な父が本当に浮気などしていたのかを探るべく兄、妹と一緒に動き出す。

「親子と性」という禁忌的な組み合わせをテーマに話が進んでいく。

重いテーマですが、読みやすいです。

 

七人の敵がいる/加納朋子

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既婚で編集者の主人公、山田陽子が自身に降りかかる苦悩(敵)と対峙していく話。

一人息子である陽介が小学校に入学しPTAや役員行事に振り回されながらも格闘するママの奮闘記。

 

人生ベストテン/角田光代

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・床下の日常

・観光旅行

・飛行機と水族館

テラスでお茶を

・人生ベストテン

・貸し出しデート

の六つの短編集。

本のタイトルにもなっている人生ベストテンに展開が少しホラーっぽく後味が悪かったがどんどん続きが気になっていくお話。

 

コンビニ・ララバイ/池永陽

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交通事故により妻の有紀美と最愛の一人息子である喧太を失った本作の主人公、堀幹郎。

妻が亡くなる前に二人で経営を始めたコンビニ『ミユキマート』を守っていかないといけないと思いつつ家族を失った喪失感で仕事には身が入らない。

そんな幹郎の元には、恋人に命じられ援助交際をする女子高生や声を出すことができなくなってしまった役者など、多種多様な悩みや闇を抱えた人々がやってくる。

人間の弱さや情けなさを幹郎に吐き出し、悩み、迷い、それぞれの答えを見つけ出していく。

昨年、同作者の『珈琲屋の人々』という小説を読んでおもしろかったのでまた池永さんの本を買ったのですが、めちゃくちゃおもしろかったです。2020年に読んだ本の中で一番おもしろかったかも。

 

ひなた弁当/山本甲士 

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50歳を目前に会社をリストラされてしまった芦澤良郎。妻や娘からも邪険に扱われ再就職先がなかなか見つからずに人生に絶望していた中、彼が見つけ出した生きる術は自分で食料を探し出し調理するというものだった。

前半部分、主人公が何をやってもうまくいかずに落ち込む場面は読んでいて暗い気持ちになったが、物語が後半に向かうにつれて気持ちのよい描写が増えていき最後は素敵な終わり方。

 

戻る男/山本甲士

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スランプに陥っている作家、新居航生の元にある日八木という男から一通の手紙が届く。

その手紙の内容はタイムスリップをしてみませんかというもの。

クラスメイトにイジメを受けたり女の子に二股をかけられた挙句フラれた過去をやり直すために航生は八木と接触しタイムスリップして過去をやり直すのだが......

 

食堂かたつむり/小川糸

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恋人に酷いフラれ方をした主人公の倫子は都会から地元に戻り小さな食堂を始める。

一日一組限定でそのお客様に合った料理を提供する 

 

世界最強の商人/オグ・マンディーノ

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世界中で読まれている自己啓発的小説。

Twitterやブログで多くの人がおもしろいと言っていたので読んだ。

よくわからなかった。

 

原稿用紙10枚を書く力/齋藤孝

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全力脱力タイムズでお馴染みの齋藤先生の本。

『何かを書こうとした場合、その内容について人に話さない方がいい。話すことによって書くエネルギーが低下してしまう可能性があるからだ』という文がよかった。

 

ふる/西加奈子

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仕事はAVへのモザイクがけ、趣味はICレコーダーでの隠し録りという28歳の池井戸花しすが主人公。

何気ない日常が書かれているが彼女は28年間生きてきた中で何人もの同じ人物に出会う....

「今」と「過去」が交互に書かれていて物語の終盤ではこれは今の話なのか過去の話なのか混乱して少しホラーでした。

西加奈子さんの作品は『漁港の肉子ちゃん』『うつくしい人』に続き3作目だが、やっぱりあまり好きではないっぽい。

 

陽だまりの彼女/越谷オサム

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中学生の頃、学年有数のバカと言われイジメられていた真緒とその真緒を助けたことにより周りの人間から奇異な目で見られることになってしまった浩介が10年ぶりにオフィスの会議室で再会する。

10年ぶりに再会した学年有数のバカは中学生のときのようなあどけなさはなく、大人の女性になっていた。

中学生のときからお互い好意がありながらも思いを伝えることができなかった二人は急接近していくのだが、真緒は浩介に隠し事をしていた.......

 

階段途中のビッグ・ノイズ/越谷オサム

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陽だまりの彼女を読み、越谷先生の作品を他にも読んでみたくなった。

先輩部員の不祥事で廃部になった軽音楽部を立て直そうと主人公の神山啓人と幽霊部員の九十九伸太郎が奮闘する話。

啓人と伸太郎の二人で再開することになった軽音楽部だが、目標である高校の文化祭でのバンドの演奏のためにはメンバーが足りない。

メンバー集めから始めなければならないうえに、周りからは奇妙な目で見られる軽音楽部の青春小説。

若いっていいなあと思えます。

この作品を読んで、俺もこういう小説が書きたいんだよと思いました。

今年一番おもしろかった本です。

 

金曜のバカ/越谷オサム

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またしても越谷先生の小説。

いろんな種類のバカが登場してくる5つの短編集。

 やっぱり越谷先生の書く物語が好きだ。

 

ひかりの魔女/山本甲士

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浪人中の真崎光一の実家に父方の祖母、真崎ひかりが引っ越してくる。

父のリストラ、母のパート、妹の素行など真崎家が抱えている問題が祖母が引っ越してきてから嘘のように解決されていく。

そして祖母は昔付き合いのあった人たちからなぜか「先生」と呼ばれ崇められていた。

 

でいごの花の下に/池永陽

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突然置手紙と使い捨てカメラだけを残して姿を消したカメラマン嘉手川を恋人の燿子が彼の故郷沖縄まで行き、既に亡くなっているかもしれない彼を探し出すために奮闘する話。

 

株式会社ネバーラ北関東支社/瀧羽麻子

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東京での仕事、東京での恋、東京での生活に疲れて弥生が転職先に選んだ会社は東京から電車で2時間ほどの田舎にある、納豆を主要商品としている食品会社だった。

 瀧羽麻子さんの「うさぎパン」という小説を読みおもしろくて今回もこの作品を読んだらやっぱりまたおもしろくて、気になって瀧羽先生のWikipediaを見てみたら、現在は会社勤めの傍ら執筆活動をしているという記載があり、こんなにおもしろい物語が書ける才能溢れる人でも執筆活動だけでは食べていけないのか!?とショックを受けてしまった。

 

わが家/井沢満

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幼いころ大好きだった父親に目の前で家出された経験を持つ桜木一歩は家族というものに不信感を抱き30歳に至る現在も定職に就かずレンタル家族稼業に身を置いていた。そんな中実の妹から「結婚相手の両親に紹介するために失踪した父の身代わりをお願いしたい」という依頼だった。妹を不憫に思った一歩は父・武士を探すべく母・鯛子の元へ行き父の所在を問い質すのだが.....

 

ハロワ!/久保寺健彦

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ハローワーク宮台で相談員として働くことになった28歳の沢田信。仕事に慣れない信を「指名」してくる癖のある求職者たち。

理想と現実の間で揺れる28歳男性のお仕事探し奮闘記。

 

インストール/綿矢りさ

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19歳という若さで芥川賞を受賞した天才、綿矢先生の小説。

女子高生と男子小学生が風俗チャットでわちゃわちゃする話。

 

西の魔女が死んだ/梨木香歩

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「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。」という名文を味わいたいがために読んだが物語もおもしろかった。中学校に入学してまもなく学校へ行くことが辛くなった主人公まいが祖母である「西の魔女」の元で1ヶ月間、自然豊かな場所で暮らしながら「魔女修行」をするお話。

上記の名文も良かったが、併録されていた、その後のまいの物語「渡りの一日」にでてくる『誤解は人生を彩る』という一文もとてもおしゃれだ。

 

星の王子さま/サンテグジュペリ

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『仲良しになる以上は、涙を覚悟しなければならない。』という一文が印象に残ったが、全体を見ると読み物として特別おもしろいとは感じられなかった。

 

天才はあきらめた/山里亮太

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天才芸人・山里亮太の自叙伝。

前の相方とのことやピン芸人時代のことけっこう書いてあり、山ちゃんのダークな部分が多めに綴られており、おもしろかった。

自分では天才ではないと言うけれど、おそらくほとんどの人からしたら山ちゃんは天才だし、なによりこの本を読んでめちゃくちゃ努力したから今のポジションがある、ということがわかる、努力ができる人、それが天才なんだろうな。